この本を読んで真っ先に出てくるのが人口問題。日本はこれから、人口が減少し、
高齢化が更に進んで大変なことになる・・・と言われて久しいですが実は他の国では
もっと前に経験していた事なんですね。
日本は鎌倉幕府成立から明治維新までの676年間で人口が4倍に増えて3300万人
になったそうですが、この明治維新から2004年のピークまでにたった136年で3・8倍の
1億2千7百84万人になりました。そして、未来予測では2100年までに日本の人口は
明治維新と変わらない3千7百70万人に急減するのだそうです。
フランスでは日本の江戸時代に既に高齢化《65歳以上が7%》社会になっている。
そこから倍の14%になるのが、フランスは126年、アメリカは72年、オランダは65年、
イギリスは46年。日本はわずか24年のスピードです。
つまり、ヨーロッパは社会の意識が成熟度を深めていく早さにギャップがないのですが、
日本はこのギャップを深める時間がないのです。ですから、制度や手当が後手に回る
訳ですね。最近わが町では古くからあった商店が後継者なし、売り上げ激減、高齢化
で、地方都市と同じようにシャッターを閉めています。そして、交付金が貰えるということで
介護施設か保育園にどんどん変わっています。
さて、最近、2012年にOECDがまとめた『コンパクトシティ政策報告書』で、富山市が
メルボルン、バンクーバー、パリ、ポートランド、と並んで世界の先進5都市として評価さ
れました。しかも、人口減少と少子化・超高齢化にあるのは富山市だけ。いまや世界の各国
から、視察にきており、マレーシアのジョホールパル州ではジャングルを切り開いて、富山
モデルの都市を建設すると言う。
この富山の森市長のところにやってきた或る自治体の某市長が
[ 『孫とお出かけ支援事業』をパクっていいですか?]と聞いたそうな。
市内にあるファミリーパーク、博物館、科学館、民族資料館、立山アドベンチャー施設など
の施設に祖父母と孫やひ孫が同伴すれば入園料が全額無料になるという優れたアイディア。
これは高齢者が外出をする機会を増やします。
出歩けば健康寿命を延ばす。
孫を連れて行けば財布のヒモが緩む。パパやママではこうはいかない。
で、でれば寿司屋でも入ろうかとなる。
高齢者の外出は地域経済に貢献する。
世代間交流にもなる。
しかし、このアイディアを持ち帰った議員は
『子どもがいない人や、孫がいない人に対して不公平じゃないか!』と反対され、止むなく
撤回。
これを聞いた森市長は
『だったら、近所の子どもでもいいから、家の孫だと言ってつれて行けばいいじゃないか。
戸籍謄本を見せろなんて言うわけないのだから。』
固定観念に縛られないと言う事の大切さを感じますね。
何事もそうだけど、考えて、考えて、考え抜いたら、いいアイヂアが湧いてくる。適当なところで
考えを辞めてしまうと今までの常識の枠に嵌められてしまうのでは。
いやはや、富山県凄いねえ!