外国人の感性、文化、地理上の生活の違い、食べ物、発想の原点は何処にあるのか。
そう言った事柄に触れてみたくなって、この本を手に取ってみました。
最近よく言われている、本屋さんが読んでみて面白かった・・・という『本屋大賞』。
この本はその翻訳小説部門第2位を取りました。
スエーデンの作家『ヨナス・ヨナソン』さんの書いた本ですが、最近、よく行く
『IKEA』で洗脳されているのかも知れませんね。スエーデンについて、ちょっとだけ
知りたくなったなんて。
兎に角、出てくる名前が変。舞台は南アフリカの難民の住むヨハネスブルグ。
し尿処理場で働く女の子、ノンベコ・イエ~キ。この天才数学少女がいかにして、
絶望的なこの環境から逃げ出し、スエーデンの国王や首相と渡り合い、国を原子爆弾
から守ったかが描かれています。この後どうなるの・・・と先が気になって、あっと
いう間に最終章。もっとゆっくり読めば良かったですね。そして、この本にはその時代
の背景になる、その時代の政治家の名前がたくさん出てきます。
特にスエーデンの王様のカール16世グスタフ王は今も実際に王様で、とてもチャーミング
な王様だと言うのは本当らしいし、首相のラインフェルトさんは掃除好きに書かれて
いますが、実際『キッチンが綺麗だと落ち着く』とインタビューで語っているそう
ですから、そうなんでしょう。現在は退任しておられるそうですが。
ネルソン・マンデラや胡錦濤さんのエピソードも面白いですし、ロシアのブレジネフ、
アンドロポフ、チェルネンコ、ゴルバチョフの移り変わり、中国の鄧小平、毛沢東、
周恩来のかなり楽しい?エピソードが散りばめられていて、同時代に生きている私に
とっては、そうだった、そうだったと歴史を辿る事もできました。
勿論、奇想天外な内容ですから、それ程信じる事は出来ませんが、にしても充分楽しめ
ますね。そして、このノンベコがピンチをチャンスに変える戦略が楽しいですね。