Acousphere Live 2016.10.11 吉祥寺Star Pine's Cafe

2016年10月11日(火曜) 吉祥寺スターパインズカフェにてスペシャルライブイベント「Acousphere with Friends」を開催します! 
Acousphere Recordに所属するアーティストが一同に集うライブをお楽しみください!
日にち:2016年10月11日(火曜)
場所:吉祥寺スターパインズカフェ 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1
出演:Acousphere / Acoustic Sound Organization / Aerial / Sonascribe
時間:Open 18:00 / Start 19:00
前売り ¥3,900+1drink / 当日 ¥4,900円+1drink
詳細はこちらをご覧下さい!

2011年12月23日金曜日

キムさんのサンドイッチ

KAI日本語スクールのクリスマス。
スウェーデンのキムさん手作りの
サンドイッチ。
パプリカを散らしたり、アボガドを散らしたり、カニカマを載せたり、スライスチーズをのせたり、楽しんで作ったんだろうなと思わせます。
作り方を聞いたら、"お母さんなら
もっと高く作ります。お母さんなら
もっと美味しいです。
お母さんが作ると、もっと綺麗です。"

母親は偉大ですね。

2011年12月21日水曜日

《晴子情歌 下巻》

今年の年末は早めに仕事を終わりにして、
日頃読めない、読めないと不満だった本に
没頭しています。
今回は《晴子情歌 下巻》を終わらせました。
で、レビューです。

高村薫さんはあまり女性を書きたがらない、とは

私の感覚でした。しかし、今回の晴子は見事に

描かれています。

高村氏は《女性の行動は男性ほど分かりやすくない。

女性の行動は複雑だ。》と言っています。

ここに登場する晴子も単純ではない。

こちらが望んだわけでもない男に好意を持っていた

とは思えぬのに、その人の子供を産んだり、

自分の子ではない子供を引き取ったり、かといって

周りを恨んだりもせず、卑屈にもならない。

淡々と生きる大正生まれの女がいる。


この晴子が息子彰之に自分の人生を綿々と綴って手紙を書く。

辛かったでもない。

周りが、時代が憎いというのもない。

後悔などは微塵もない。

だからといって、キリスト教的な神の思し召しだから

甘んじて受け入れるというのでもない。

そこに自分がいきているから、望んだ訳でもないが、

激しく拒むほどの抵抗もない。

ただ、そのままの流れがある意味生きていくことなんだと思う、

という仏教的な生き方が滲みでている。


高村氏は常日頃から、《職業によって、人間が確立する。

人というものはそういうものだ。》とおっしゃっている。

この下巻も鰊漁の様子が生き生きとえがかれていますが、

特に、一緒に働く足立という男の戦争体験や、そのことによって、

病んで崩壊していく人間模様の描写は凄まじいです。

そのことによって、あの戦争の悲惨を、忘れ勝ちな戦争を

慄然として、思い出します。


高村氏は晴子の生きる大正、昭和の時代を、晴子が預けられて

生きた福沢家という大所帯の中で暮らしている人間模様の中に

その時代を語らせています。

福沢家の当主勝一郎に焦点をあてて、戦後の日本の政界を活写

しています。

息子彰之の生きた大学紛争の時代は叔母の公子や従兄弟たちを通して、

時代を語っています。

私はこの彰之とほぼ同時代の昭和を生きて来て、大学紛争も

ちょうど終息するかの時代に生きていました。この近代史

を総まとめするように、自分の生きてきた時代を回想する。

そんな感傷も持ちつつ読んでいるうちに、ここに描かれる

彰之本人、父親の康夫、叔母の公子などが、この時代の空気

の中であがいている姿はそのままこの時代の世相を表しています。

高村氏の描く人間は実に興味深い。



面白かったですねえ。ナンドもいいますが、
この時代の空気が思い出されて、感慨深いです。

2011年12月16日金曜日

映画《Mr.nobody》

最近itunes storeで映画をレンタルしています。
今回は《Mr.nobody》

ちょっと、難解かなとも思いましたが、
面白かったですね。
で、レビューを書きました。


久しぶりに、困惑を畏れずに観てしまいました。 
この主役の俳優さん“ジャレッド・レト”素敵ですねえ。

2092年の2月12日午前5時48分 
宇宙は突然収縮に向かう。 
世界のあらゆる事象は 
《エントロピーの法則》にのっとって、動いて行く。 
つまり、あらゆるものは生まれた時から壊れる方向に 
向かって行く。 
秩序あるものは、無秩序に、 
机の上は次第に乱雑になっていく。 
新しい物は出来たその瞬間から古くなり、 
綺麗なものは古くなって、汚くなる。 
この様子を中世の静物画の名手、カラバッジオの 
絵のような果物、ぶどうやりんごや・・・をいかにも 
瑞々しい姿から腐ってトロケルまでの様子を映し出したり、 
ねずみ《?》が死んで土に帰るまでの映像を早送りで 
映し出したり、ちょっとどきっとしますが、この監督 
の手腕はここからが凄い! 
宇宙に散らばる自転車、未来都市の建物がルービック 
キューブのように壊れて行く様子。 
美しい映像です。

そして、時間の捉え方。 
2098年に拡散が止まり、収縮が始まると時間は 
逆戻りするのか。 
この作品ではどうやら戻るようですね。 
そして、一番大きい問題は人生は選択出来る 
ということ。5歳の少年が初めて選択を迫られた 
時、ここから、あらゆる人生が始まって行く。

112歳になったニモ・ノーボディにインタビュアー 
が聞きます。あなたの人生はどれが本当なんですか、と。 
3人の女性と結ばれるようですが、本当に愛して 
いたのはアンナ。他に、エリーゼ、ジーンがいます。

人生にはいろいろな選択がある。でも、本当に 
望んだ人生はどこにあったのか。そして、やり直しは 
やはり、できないのでは。

そして、そして、最期に音楽が素晴らしい。 
特に甘い、切ない、太い弦が響く暖かみの 
ある、ギターがすばらしいです。


音楽はやはり、大変な力がありますね。この映画の
BGMに使われているギター音楽が素晴らしい。

『ベロニカは死ぬことにした』

『物語を話してあげるわ』
『王国全土を崩壊させようとした力のある魔法使いが
全国民が飲む井戸に魔法の薬をいれたの。その水を飲んだ
者はおかしくなるように。
王様とその家族以外はみんなおかしくなった。そして、
王様の決定は馬鹿げたことだと臣民が騒ぎ始めた時、
絶望した王様は自分も狂気の水を飲み、不条理なことを
口走り始めた。その国は近隣諸国よりもおかしな行動を
とっていたけど、その国は平和な日々を送り、王様は
その最期まで国を支配することができましたとさ。』

みんな狂っているのなら、自分も一緒に狂ったほうがいい
・・・という挿話が気になりつつこの本を読みました。

この物語の主人公はベロニカ。彼女は全てに恵まれて
いるにも拘らず、大量の睡眠薬を飲んで死のうとします。
しかし、死ぬことに成功せず、精神病院(ビレット)に
送り込まれてしまいます。そこには、様々な理由で
壁の中に逃げ込んでいる人達が生活しています。
本当は狂ってなんかいないのに。
でも、ガラスの壁の中が居心地がいいと思い込んで
います。
でも、みんなはベロニカの行動を見て考えます。
その中の元弁護士だったマリーはボスニアに行くこと
にします。冒険の危険には1000日分のやすらぎも
安心もかなわないと言って。
ベロニカは後1週間しか心臓がもたないと言われて
改めて生きる意味を考えます。その後に数々の箴言や
挿話がはさまれていて、私たちも迷ってしまいます。
しかし、本当はベロニカの心臓はどうだったのでしょうか。

この作家はアラブ系の人かと思っていましたが、
ブラジル人なんですね。
パウロ・コエーリョという名前もなにか詩人のようで
気になりました。読んでみて良かったですね。

2011年12月12日月曜日

2011年12月10日土曜日

吉祥寺のbase cafe

久しぶりにマクロビオティック料理を
食べました。
時間が遅かったせいか、空いていて
ユックリ食べられました。
今日は車麩の揚げ物に玄米
色々野菜の味噌汁とちょっと
面白い味付けの小松菜とハス
の胡麻和え。ハスは先に梅酢で
軽く茹でてから、胡麻で和えている
みたい。最後にノリを刻んで
混ぜているのが、いいですね。
美味しかったです。

2011年12月5日月曜日

『晴子情歌』上巻

晴子情歌やっと、上巻が終わりました。
面白いです。
高村薫さん、凄い作家ですねえ。
で、レビューを書いてしまいました。
のめり込むのに、ちょっと時間がかかる 
かも知れません。今までのように推理もの 
ではありませんから。 
でも、日本語の本来持つべき美しさはこれ 
だったかと呼び覚ましてくれます。 
気がつけば美しい日本語がたゆたう中で 
翻弄されている。 
旧仮名遣いも心地いい。 
青森県の野辺地地方の方言でしばらく語られる 
のも何だか楽しい。 
主人公彰之に宛てた母晴子の書簡には長い人生 
を振り返り、その時々の母の青春が語られて 
います。 
そして、晴子が生きてきた時代の日本の姿が 
なるほどこんなだったかも・・・と思わせる 
市井の人々の言葉で語られて、興味深いです。

高村氏は労働の現場を描くのが実に巧い。 
この作品では表紙に青木繁の“海の幸”が使わ 
れているとおり、漁の現場で働く人の姿が 
恐ろしいほどの迫力で描写されています。 
特に鰊漁での浜の賑わいと働く人の喧噪や 
息づかいには圧倒されます。 
本当にこの人は巧い! 
この部分だけでも一つの作品として成り立って 
います。 
そして、また、のめり込んでいきます。

日本語の美しさに目覚めては如何でしょう。


確かに読むのは大変です。
事件が起こるわけではなし、推理ものでも
ないし、斜め読みはこの美しい日本語を味わう
にも意味はないし。
しかし、こんな風に淡々と生きていけたらと
思います。人が生きる意味は何なんでしょう
と又、考え始めてしまいました。

2011年12月1日木曜日

立場のない2千円札

郵便局へ行く。
二つの振込先にお金を送る為に
『お願いします。』
『合わせて11430円です。』
お財布の中に2千円札が居心地悪く
座っている。
これはなんとか早く、私の手元から
飛んで行ってもらわないと・・・
で、一万円札とこの2千円札を出す。

くだんの局員、
若造だ。
一瞬、怯んだように見える。
・・・・
『・・・さあ〜ん。』
顔の筋肉が引きつったり、歪んだりして、
半ば笑いながら・・・
『いやあ、珍しいですねえ、
ほとんど見ないし、
まっ、器械通ったから大丈夫だと
思うんですけど・・・』
『・・・(偽札だって、言うんかい!)』

まっ、私もオトナですから、ぐっと呑み込んだ。
で、更に聞いてくる。
『どこで、手に入れたんですか?』
『お客様がこれを持ってらしてね。』
私話し出したら止まらない。
『お客様がね、珍しいお札が好きだとか
で、これって小渕首相の時のお札でしょ、
とか言って、微笑みながら、お勘定を
してらした。
でもね、私も思わず、
手触りを試してみたり、してしまって・・・
チラット見た時、ああ夢殿かあ〜と思った
けど、調べてみたら、守礼の門なんですね。』
『でも、珍しいですねえ。
ウチの金庫にも40枚あるかないか
ですよ。』
『だからね、やっぱり、気持ち悪いんで、
つかっちゃえ・・・と思って。』
だから〜、本物だって!

局員、すかさず、
『まっ、器械通ったから、大丈夫っすよ。』
いつのまにか、タメグチを使ってた。