岸朝子さんという料理記者?さんが一昨年前に亡くなっている。
あの有名な《料理の鉄人》という番組に出ていられて的確な審判
をなさっておられた。このヒトは凄い舌を持っておられるのだなあ~
と当時の私は羨望のマナコを頻りに向けていた覚えがある。
だから、彼女のコメントが気になった。
料理の質を云々するには鋭い舌を持つことが必須・・・というよりは
たぶん育ちや・・・だから経験・・・つまりたくさんの質の良い料理に
触れて、それを堪能してきた・・・から食べる事に曖昧ではいられな
かったに違いない。しかし、それでも単なる美食家になってしまうヒト
もいる。彼女は料理記者をやる内に多分健康をどう確保するかを
真剣に考えたのではないか。あの料理番組では健康問題を云々する
よりは美味しさを追求することだった。けど、本当に美味しいというのは
健康にも良いのではないか・・・と思う。
よく、《旨さはカロリー》というけれど、それにしても多すぎてはウンザリ
だし、旨いダシは必要だけど、過ぎたるはでもある。
旨過ぎるのは反対に頻繁では飽きる。
《本当に美味しいものは健康にも良い》のでは。
岸さんは長い経験の中で食べ物というのをどう考えていたのだろうか。
そういう本があるのかも知れない。流石に記者さんなのですから文章
は得意でしょうから。
しばらく前に岸さんのお嬢さんがインタビューに答えてこんなことを
話していました。母はいつもこんな事を言っていました。
《一魚、二豆、野菜は五》
日本人の我々に必要な食べ方、食べ物をこれ程にシンプルに標語
にした事に驚きです。それに語呂もいいですねえ。
日本人が簡単に摂れるタンパク質は肉系ではなく魚。
日本人が古代から作ってきた豆製品とそれから作った発酵食品。
日本人が昔から営々と築いてきた長い腸に呼応する野菜摂取。
おそらく農耕を忌み嫌い野菜などは食べたこともないというあのモンゴル
の草原を疾駆するヒトとは腸の長さが倍も違うのでは・・・。
人間というのは生まれ、住んでいる所、に大きく左右されるのですねえ。
そして、これに逆らうと身体にも精神にも歪みがでてくるのかも知れません。