家の壁に意外に大きい蜘蛛を発見。
いつもなら、手か新聞紙で叩いてしまうかもしれないのだけど、
今回は芥川龍之介氏の『蜘蛛の糸』を思い出してしまったために、
酷い事は出来ない。
・・・と言うか、あの世にいっても未だ人をだしぬきたいのか、
わたしの為にだけ蜘蛛の糸を御願いするつもりなのか、どうしても、
つぶせなくて、そっと新聞紙の上に乗せて庭にまで運んで行き、
紫陽花の葉のうえに置いた。
覚えておいて下さいとは言わなかったけど。
近年、芥川の作品はアメリカで翻訳され、村上春樹さんと同じ様に
好評なんだそうですね。ただ、村上さんと同じ様に英文にし易いように
書かれているわけではないので、訳が難しいんだそうです。
日本語らしい格調の高い
文章ですから 。
『羅生門』などは特に人気ですが、これは黒澤明さんの映画による
ところが大きいのでしょう。
ここに出てくる3人の証言が皆くいちがって誰が真実を言っているか
分からない。藪の中なのですから。
わたし個人としては『トロッコ』が一番思い入れがあります。
一人で暗い夜道をトボトボ歩くという心細い思いをした事があって、
忘れられませんねえ。
ともあれ、蜘蛛は5匹位は助けてキャッチ、アンド、リリースしないと
1本では足りないかも。