今年は冬の陣から400年という事で、『菜の
花忌』も司馬さんの『城塞』が取り上げられ
ました。
司会はいつもの古屋和雄氏。
パネラーは安藤忠雄氏、伊藤潤氏、磯田道史氏、杏氏の4人。
でも、この本『城塞』は上、中、下巻の分厚
い3冊。
杏さんもこのパネラーに選ばれてから、今年
のお正月に3冊をやっつけようとしましたが
この2、3日前に終わったとニンマリ。
毎日テレビでは観ない日がない程の忙しい杏
さんは流石に歴女ですねえ、よく武将の事を
ごぞんじでした。
中でも真田幸村や塙団右衛門が武士らしくて
好きだとおっしゃっていました。
安藤さんに至っては1冊で挫折と笑ってらっ
しゃいました。
『城塞』は関ヶ原の合戦の後の家康が大阪城
を2度に渡って攻め落とす時の様子と周りを
固める家臣達の生き残りの右往左往を描いた
作品です。一人ひとりの武将を中心にどういう
生き残りをかけて、どう考えて行動したかが
緻密に描かれています。それも一々文献を取り上げて、こう書かれている、としている処
は司馬さんならではです。
司馬さんは峠から大阪を見下ろした時、この
景色を徳川家康も間違いなく見下ろしたで
あろうと述べています。
こういう表現は好きですね。他の歴史小説と
圧倒的に違うところです。司馬史観の根幹をなすところでしょうか。
会場であるNHKホールはまさに大阪城のまん
前でした。集まっている1300人ほどの聴衆のほとんどが団塊の世代か、それ以上。
司馬さんが亡くなってから、20年。
知らない世代が多くなっているんですね。