Acousphere Live 2016.10.11 吉祥寺Star Pine's Cafe

2016年10月11日(火曜) 吉祥寺スターパインズカフェにてスペシャルライブイベント「Acousphere with Friends」を開催します! 
Acousphere Recordに所属するアーティストが一同に集うライブをお楽しみください!
日にち:2016年10月11日(火曜)
場所:吉祥寺スターパインズカフェ 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1
出演:Acousphere / Acoustic Sound Organization / Aerial / Sonascribe
時間:Open 18:00 / Start 19:00
前売り ¥3,900+1drink / 当日 ¥4,900円+1drink
詳細はこちらをご覧下さい!

2016年3月12日土曜日

自分を表現する言葉

  『今日は何となくお休みしたいな・・・』と5歳になった孫が言う。

大人の会話に交じって、『じゃあさあ、こうしたらいいんじゃないの?』と提案なんかもする。

  ちょっと言葉が遅いかな?・・・なんて心配させた孫が言葉を覚え始めたら、しゃべるは

喋るは。

  二つ上の孫は小学1年生。こちらもおしゃべりが上手。そして、大人っぽい言葉使いが

多くなって来ている。

  さて、先日いつもお兄ちゃんと帰ってくるのに一緒ではなかったので、聞いてみた。

  『どうして一緒じゃないの?』

  しばし、孫は考えている。

  『あのね、都合が同じじゃないの。』

お兄ちゃんは6時間授業でご本人は5時間授業。だから一緒には帰って来られないらしい。

その辺の事情を知ってか知らずか、まあ、説明するのに精一杯考えた返答だった。

『都合が同じじゃない』は素晴らしい。


  さて、今読んでいる福岡博士の

《変わらないために変わり続ける》

は実に面白い。

  普通、科学雑誌というか、新書の類いは、書いた本人が文系でない為に説明が難解だったり、

言葉が適切でなかったり・・・というか上手じゃない事が多く、読んでいても分からないか、面白

くないか・・・のどちらかですよね。

  でも、この福岡博士の本は実に平易で分かりやすい、

この博士の文章は小説のような文で気取らず、飾らず、それでいて、科学というものの奥深い

システムを軽く語って、読んでいる者を分かったような気分にしてくれる。

この方は本当は細胞の研究をなさっていて、

一時よくテレビに出ていらっしゃいました。その時に有名になった彼の造語は

  《動的平衡》

つまり、細胞は常に細胞分裂を繰り返している。しかし、エントロピー増大の法則《ものは絶えず

変化している。新しいものは古くなり、綺麗なものは汚れて行き、整頓されているものは乱雑に

なる。》に絡めとられないように、細胞は分裂してもすぐに自らを壊して新しく再生する。

  だから、細胞はかなり凄いスピードで再生し、破壊される・・・というのだ。

  福岡博士は今また、ニューヨークでの生活を楽しんでおられるようですが、この時のエッセイが

この本。

  しかし、このエッセイは読んでいるうちに、ほんのちょっと細胞について詳しくなれるという貴重な

  本です。彼は日本に居る間に理数系から、文系に教授でありながら席を変えたという御奇特な

変人教授。

  こんなのあり?・・・と言われる程、妙な変身を遂げた先生なんですね。

普通、学生が悩んで、理数から文系へ、又はその反対という話はききますが・・・。

  で、その通り、文章が御上手です。


  人は自分の考えを言わなければ相手に分かってもらえません。自分の言葉で説明する時には

それに最も合った言葉を造るか、探すかしなければ出来ないわけですけど、探すとしたら、てっとり

早いのはそれなりの本を読むことですね。

  私は司馬遼太郎さんの言葉使いが大好きですが、悩んでいる時などには必ず、ぴったりの言葉が

眼の前に現れます。『これだ!』と嬉しくなります。


  先日、大病院で先生とのやりとりの最中、次の予約の日にちを決めていました。

  『あ~、その日はヤバいですねえ。』と私。

  『やばいですか?』と先生。

私は言葉が悪いのを反省して、

  『済みません、言葉が悪かったです。』と言うと、

  『えっ、私が先に言ったのですか?』と先生。

  『いえ、私が言ったので先生が反応してしまったのです。』

  とまあ、たわいのない話なのですが、私はついつい早口でペラペラやるので、相手を引き込んで

しまうところがあるなと反省しました。

しかし、この場合やはり、都合が悪いです、というベキだったと考え直したのだけれど、ヤバいが

ピッタリ・・・というのは結構あるんですよねえ。