Acousphere Live 2016.10.11 吉祥寺Star Pine's Cafe

2016年10月11日(火曜) 吉祥寺スターパインズカフェにてスペシャルライブイベント「Acousphere with Friends」を開催します! 
Acousphere Recordに所属するアーティストが一同に集うライブをお楽しみください!
日にち:2016年10月11日(火曜)
場所:吉祥寺スターパインズカフェ 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1
出演:Acousphere / Acoustic Sound Organization / Aerial / Sonascribe
時間:Open 18:00 / Start 19:00
前売り ¥3,900+1drink / 当日 ¥4,900円+1drink
詳細はこちらをご覧下さい!

2015年11月13日金曜日

公園という思想

『自然を残すというのは、"文明"が持ち始めた新しい意志である。』

 


  司馬さんはニューヨーク散歩でこう書いておられますが、まさに

そうなんだなと思わせられます。まだ息子が中学生の時に訪れた

ニューヨークには鍵のかかる公園がありました。

  街を歩いていると初老のお婆さんが鍵を開けて公園に入っていく。

タクシーの運転手に聞いたら、会員制の公園です・・・と言っていま

した。公園は公共性のあるものと思っていた私には奇異な制度だな

と思いましたし、今の若者に言ったら、平等思想で『そんなの差別だ』

と切り返されそうですが・・・。

 そして、又、《本郷界隈》では司馬さんはこんな事を書いています。

オランダ人ボードインの事情の処でこうも言っているんです。

明治政府は大学東校の建設計画書を持ってボードインに見せます。

政府は上野の山王台から鴬谷一帯にかけて病院を建て、散歩道から

下谷、浅草を見下ろせるという結構な案を提案しました。

ところが、石黒忠直が案内するうちにボードインは

景色の幽邃さに感心しました。こんな見事な都市森林を持っていながら

それをつぶすとは何事であるか、西洋では市中に森林がなければ

わざわざ造林するほどだ!・・・と言ったのだそうです。

  当時、日本には公園という言葉がなく、そういう思想もなかった。

  明治政府は早速この案を取り入れました。

  そして、替わりに、この周辺の加賀藩邸を買い上げ、今の東京大学

を創ったんだそうですね。

  オランダ人ボードインが進言しなければ今の上野公園はなかった

ということでしょうか。

  最近の我が杉並は公園が結構あります。少し多いくらいですが、この

公園の多さには理由があります。戦前からの旧華族や旧有名人の

昔の栄華を誇るお屋敷がたくさんあります。その遺族が色々な理由が

あるとは思いますが、私の浅知恵では固定資産税を払い続けていくの

が苦痛・・・という実情があるのではとも思えます。大田黒公園、与謝野

明子の縁の或る中央公園、角川家の角川幻戯公園などなど・・・。

そして、区などの行政に始末を頼むという仕儀に陥ってしまうのでは

ないか。今回もあの有名な《荻外荘(てきがいそう)》が区の公園になり

つつあります。あの近衛文麿氏のお屋敷です。戦後70年と言えば、曽孫、

玄孫の時代でしょうか。時代の移り変わりは仕方ないにしても、そういう

理由で公園になっていくというのは

 《公園が出来て嬉しい・・・》と言う前向きな感動が生まれませんね。