Acousphere Live 2016.10.11 吉祥寺Star Pine's Cafe

2016年10月11日(火曜) 吉祥寺スターパインズカフェにてスペシャルライブイベント「Acousphere with Friends」を開催します! 
Acousphere Recordに所属するアーティストが一同に集うライブをお楽しみください!
日にち:2016年10月11日(火曜)
場所:吉祥寺スターパインズカフェ 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1
出演:Acousphere / Acoustic Sound Organization / Aerial / Sonascribe
時間:Open 18:00 / Start 19:00
前売り ¥3,900+1drink / 当日 ¥4,900円+1drink
詳細はこちらをご覧下さい!

2016年5月22日日曜日

高島野十朗展

高島野十朗展


  東京帝国大学(東京大学)の水産学科を首席で卒業し、将来を嘱望されたにも拘わらず、

絵画の道に進み、しかも独学で・・・というこの孤高の画家。兄の友人にあの青木繁がいた

というから、そういう方面の影響もあったのではというのが、一部の評論家のお話。

  私はどうもこういう『孤高の』『独学の』『中央を離れて・・・』『自分の眼だけを信じて』という

言葉に弱い。

  群れる・・・とか、権威におもねる・・・とか、そういうのが、大嫌い。世の中の地位の高い人が

一概に立派であるとは限らないと小さい時から思っていた。こういう固定観念を持ってしまった

のは人生の不幸せかもしれない・・・と長く考えていた。

  大学は先生になる為の学部で勉強していたにも拘わらず、絶対嫌だと教員採用試験を一切

受けず、これからどうしようかと、あの頃、もがいていた。

  私が小学校の頃、父がPTA会長をやっていた。その頃の教頭先生や校長先生が私の大学時代

には立派になられていたが、我が家が旅館だったこともあり、父の役職の流れもあって、我が家で

酒席を開く事が多かった。

  当然のようにお酒で酩酊する。若いころの私は先生のそういう乱れ方が許せない。それもいつも

ただ酒だったから、母は苦労していたし、怒っていた。

  

  孤高の作家というのは数あまたいるけれど、私が好きなのは野十朗の他に田中一村。

この人も中央の画壇には一切関係を持たず、奄美大島で粗末なあばら屋でひたすら絵を書き続け

、お金がなくなると近くの染色工場へ行って、絵の具代を稼ぎ、少しの貯金が出来ると絵を描く・・・

という暮らしを続けながら、作品を残した。

  

   この人の作品も野十朗と同じように精神を感じる。観ているとその中に入っていけそうな気になる。

吸い込まれそうになる。描かれた花や植物に生き物を感じ、それが動きそうなほどの迫力がある。

田中一村にはこんなエピソードがある。

  ある時若い画家が一村の絵を観に来た。その余の凄さに一村に物を投げつけて帰って行った・・・

という。

  今回野十朗の絵を改めて観ると、前とは違う感覚を持った。花が生き物の様でそのあまりの

凄さに気味悪くさえ思ってしまった。嫌いになったわけでもないのだが、花の絵は側に置きたくないな

という気持ちになった。本物の花はもっと、薄くて繊細というか、華奢な感じではないか。それなのに、

野十朗のそれは肉厚でそこに蠢くような生命体を感じてしまう。

  だが、それよりも今回新たに発見した『林径秋色』の何気ない雑木林の景色は凄い。

  ずっとその前に佇み、動けなくなる。

  そして、友達に送ったという蝋燭の絵は宗教心をかきたてるような、静かな、心を穏やかにさせるような

素晴らしい作品ばかりで10点以上の作品が展示されていた。

  私はそんな蝋燭の絵を真似して描いた事があるが、あんな迫力のある蝋燭は描けないですねえ。

当たり前ですけど。

  そして、絵のように炎がメラメラと立ち上るのも実際はなさそう。今回学芸員が調べた所、その炎に

何かきらきらした結晶が確認されたとか。でも、それが何なのか発表してない所をみると分からない

のでしょうか、それとも公表できないのか。なにか、異質のガラス質か、金属質かのキラキラした結晶体

のようなのですが。彼の創意工夫が、この後、色々発見されそうですね。