岩波ホールならではの映画。
なんと6時間39分の長時間です。
お尻が痛くなるのも顧みず、脚を右に組み、
左に組み、ズリずりと身体を椅子に沈めたり
しながら、3回の休憩を挟みながら、観終わった
時には、
"やった!"
なんていう変な達成感・・・
何年か前に"華麗なる青春"を創ったスタッフが
再び手掛けたこの長編映画。
しかし、前回ほどのスケール感はなく、予算も
無かったようで、小さく纏まっているのが不満です。
やはり、イタリア映画なのですから、イタリアの雄大
で癒される風景をもっと映し出して欲しかった。
そして、お料理も。
この中で秀逸な演技をしているのが、難民の母親役。
今でもそうなのでしょうか、イタリアの旅行中に観た
難民達。
交差点で車が止まる度にスプレーとモップ
を持って現れ、フロントガラスを拭いて何がしかの
チップを貰うあの人々。
前回は政治運動に走った主人公の奥さんが基軸になって
いましたが、今回は難民問題です。
そして、色々な難問を抱えた人々が右往左往します。
崩壊した家族が性別を超え、国境を超えてまた一つの
家族に再生します。
人はどんな時でも智慧を働かして、経験から学び、
コダワリを捨てて、新しい家族を、世界を創っていける。
そんな希望が持てる良い映画でした。