Acousphere Live 2016.10.11 吉祥寺Star Pine's Cafe

2016年10月11日(火曜) 吉祥寺スターパインズカフェにてスペシャルライブイベント「Acousphere with Friends」を開催します! 
Acousphere Recordに所属するアーティストが一同に集うライブをお楽しみください!
日にち:2016年10月11日(火曜)
場所:吉祥寺スターパインズカフェ 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1
出演:Acousphere / Acoustic Sound Organization / Aerial / Sonascribe
時間:Open 18:00 / Start 19:00
前売り ¥3,900+1drink / 当日 ¥4,900円+1drink
詳細はこちらをご覧下さい!

2011年5月4日水曜日

《タイタンの妖女》

久しぶりにSFなんぞ読んでしまいました。
最初は慣れなくて《どうしよう!》と
思ったのですが、いやいや面白い。
で、お決まりのコース、
レビューを恥ずかしくも書いて
しまった。


この作品はおそらく、"人は何で生きるのか"

という事を人間の内面の魂の有りようから

解き明かし、SFという奇想天外な手法で、

面白く、しかも皮肉たっぷりに描いたもの

だと思います。


やがて、一つの家族が悲しくもオーソドックスな

幸せの形に納まり、散らばって行く・・・

という最後のお話になって、やっと、

ホットします。

そこまでは、何がなにやら、訳が分からない

状態です。

人間の脳にはアンテナが埋め込まれたり、

自分では考えることがゆるされなかかったり、

記憶が消されたり、と読んでいて苦しいな

と感じる場面も多いのです。


この作家でなくては発想できないSF作品に

最初とっつきにくい感じがしました。

でも、だんだん読んで行くと、

主人公のマラカイ・コンスタントがラムフォード

によって、タイタンへおくりこまれたり、自分の

自由意志の通りに動くことができない人たちに

囲まれて労働させられたり、違う世界に行くと

名前が変わってしまったりして、うっかりすると

訳がわからなくなるのですが、面白さにのめり込んで

いる自分をはっけんします。

ここに出てくる、

"実体化"とか、

"時間等曲率漏斗"とか、

中でも面白いのが、

"ひょうろく玉"という酸素の丸薬。

これをうまく使いこなすにはシュリーマン

呼吸法を身につけなくてはいけない、だとか、

とにかく面白いのです。

そして、カート・ヴォネガットの考えている

世界はこんなことかもしれません。

それはこの本の中ほどに出てくる

『・・・あらゆる地球人の心に熱狂的に

迎えられることになる新しい宗教の知らせを

ここに伝えよう。

国境は消失するだろう。

戦争欲は消滅するだろう。

あらゆる羨望、あらゆる不安、あらゆる憎悪は

死に絶えるだろう。

この新しい宗教の名は、

《徹底的に無関心な神の教会という》

・・・人々をいつくしめ、そうすれば、

全能の神はご自分をいつくしまれる。』


このほかにもこの本の中には示唆に富んでいる

多くの部分があって、はっとしますよ。