Acousphere Live 2016.10.11 吉祥寺Star Pine's Cafe

2016年10月11日(火曜) 吉祥寺スターパインズカフェにてスペシャルライブイベント「Acousphere with Friends」を開催します! 
Acousphere Recordに所属するアーティストが一同に集うライブをお楽しみください!
日にち:2016年10月11日(火曜)
場所:吉祥寺スターパインズカフェ 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1
出演:Acousphere / Acoustic Sound Organization / Aerial / Sonascribe
時間:Open 18:00 / Start 19:00
前売り ¥3,900+1drink / 当日 ¥4,900円+1drink
詳細はこちらをご覧下さい!

2011年12月5日月曜日

『晴子情歌』上巻

晴子情歌やっと、上巻が終わりました。
面白いです。
高村薫さん、凄い作家ですねえ。
で、レビューを書いてしまいました。
のめり込むのに、ちょっと時間がかかる 
かも知れません。今までのように推理もの 
ではありませんから。 
でも、日本語の本来持つべき美しさはこれ 
だったかと呼び覚ましてくれます。 
気がつけば美しい日本語がたゆたう中で 
翻弄されている。 
旧仮名遣いも心地いい。 
青森県の野辺地地方の方言でしばらく語られる 
のも何だか楽しい。 
主人公彰之に宛てた母晴子の書簡には長い人生 
を振り返り、その時々の母の青春が語られて 
います。 
そして、晴子が生きてきた時代の日本の姿が 
なるほどこんなだったかも・・・と思わせる 
市井の人々の言葉で語られて、興味深いです。

高村氏は労働の現場を描くのが実に巧い。 
この作品では表紙に青木繁の“海の幸”が使わ 
れているとおり、漁の現場で働く人の姿が 
恐ろしいほどの迫力で描写されています。 
特に鰊漁での浜の賑わいと働く人の喧噪や 
息づかいには圧倒されます。 
本当にこの人は巧い! 
この部分だけでも一つの作品として成り立って 
います。 
そして、また、のめり込んでいきます。

日本語の美しさに目覚めては如何でしょう。


確かに読むのは大変です。
事件が起こるわけではなし、推理ものでも
ないし、斜め読みはこの美しい日本語を味わう
にも意味はないし。
しかし、こんな風に淡々と生きていけたらと
思います。人が生きる意味は何なんでしょう
と又、考え始めてしまいました。