Acousphere Live 2016.10.11 吉祥寺Star Pine's Cafe

2016年10月11日(火曜) 吉祥寺スターパインズカフェにてスペシャルライブイベント「Acousphere with Friends」を開催します! 
Acousphere Recordに所属するアーティストが一同に集うライブをお楽しみください!
日にち:2016年10月11日(火曜)
場所:吉祥寺スターパインズカフェ 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1
出演:Acousphere / Acoustic Sound Organization / Aerial / Sonascribe
時間:Open 18:00 / Start 19:00
前売り ¥3,900+1drink / 当日 ¥4,900円+1drink
詳細はこちらをご覧下さい!

2011年3月27日日曜日

司馬遼太郎が考えた事

今回のレビューは
"司馬遼太郎が考えたこと"1巻です。

司馬遼太郎さんは言わずと知れた事だが、
もと産経新聞の記者であった。
終戦を栃木県佐野の連隊で迎えます。
『東京への道は人でいっぱいです。
戦車が通れません。』
と上官に聞いた時、
『そんなもん、轢き殺して来い!』
との答えがかえってきた。
その時の衝撃は言いようがなかった。
日本人というのはこんなだったろうか
と考え始めたそうです。

それから、新聞記者になり、
京都の西本願寺などの宗教担当の
記者になり、宗教に造詣が深く
なります。
新聞記者から作家になり始めの
初期の司馬遼太郎さんの珠玉の
エッセイがこの1巻に収められて
います。

特にあの独特の文体についての随想が
あります。
『私は奇妙な小説の文体の修行法を
とりました。
小説を書くのではなく、しゃべくり回るのです。
・・・さる友人一読して、君の話のほうが
おもしれえや。此れは痛烈な酷評でした。
となると、まず、私は私の小説を、私の話にまで
近づける為にうんと努力しなければなりません。』
そして、出来たのがあの文体ですねえ。

勿論あの『梟の城』の製作秘話?ではちょうど同じ頃
日本という国は至る所がブルドーザーで破壊されて
いたのですが、その無念な想いを信長の比叡山焼き討ち
と結びつけて、独特な論法で読者を引き込みます。

そして、神戸や大阪などの街に対しても愛情を込めて語っています。
この辺の処では嫉妬を感じる程ですが、しかし、こういう
精神の屈折を(司馬さん流に言えば)もし、東京で生まれて
いたら、持ちえなかっただろうと思います。
実に面白いです。