確かに凡人の我々には難しい場面での判断を下すというのは難しい。
例えば、病気の時。
お医者様というのはプロなのだから、全てお任せする方がいいし、素人の・・・そして、
病気であるというただならぬ事態を抱えている患者には冷静な判断が出来るわけが
ない。それも一刻も争うなどと言う時には。
2012年の頃、何やら、時々胸がなんとなく苦しい。
胸を抱きかかえるようにしてうずくまると少し収まり、それからしばらくはそんな事が
ないのだけど、又一週間もするとそんな風に苦しい。
内科に行けばお定まりのレントゲン、心電図、で、何も異常がないですよ・・・との診断。
いやいや、そんな事はないを主張して、ひと月後の超音波検査を予約。
ここでは私の食い下がろうとする選択があった。
その検査でちょっと引っかかる所があるとの事で、MRIの予約。これも3週間後。
で、分かったのは、心臓を取り巻く大動脈の一本が75%詰まっているという写真。
やはりそうなんだ。
このまま知らずにいけば、心筋梗塞で大騒ぎになるところだった。
普通、こんな風に気がつかずに生活していて、何か変だな・・・くらいで過ごして
いるのだろう。。
75%詰まっていてもこの程度なら・・・。
それから2週間後、手術に決まった。
本来なら開胸手術で患者の負担も大きく、入院も長くなる。
だが、ステントという蛇腹になっているものをその部分まで入れて、患部でパカっと
広げるとその狭い部分が広がり、それで手術はおしまい。
一日か二日の入院でそれも局部麻酔で、いやなに簡単ですよ・・・とおっしゃる。
実際その通りに簡単だった。
身体にも負担がなく、心臓という大臓器の手術だったにも拘わらず、傷もなく、
入る病室がないので手術後に待機する部屋でもう一泊というので、
『いやいや、帰らせてもらいます。』
とまるで、ホテルの予約を断るかのように家に帰った。
こんな大手術なのに、家族は余りのあっさりしたご帰還に呆れていたかもしれない。
で、手術は簡単です、開胸に比べて負担が少ないです・・・に釣られてした手術だった
のだけど、果たしてこれで良かったのか。
その後、
毎朝血栓を溶かす薬を飲み続けなければいけない。
ステントが血栓を掴みやすくしているので、普通以上に食事に気を付けなければ
いけない。
血が止まりにくいので、決して、怪我をしてはいけない。
事実その通りで、その後、頭に物を落として、切り傷を作り、結構な量の出血に
驚いて、病院へ。その後も、お正月の元旦に棚の角に額をぶつけてまた、また、
ダラリと出血。回りをあたふたさせて病院へ・・・という粗忽者の私を認識。
そして、その血栓を溶かす薬との付き合いが始まったのだが、これが難物だった。
胃が痛いのだ。
そこで胃の負担を和らげる為に、胃薬も頂く。
その後が長い話になる。
サイコロを振る話は続きます。