Acousphere Live 2016.10.11 吉祥寺Star Pine's Cafe

2016年10月11日(火曜) 吉祥寺スターパインズカフェにてスペシャルライブイベント「Acousphere with Friends」を開催します! 
Acousphere Recordに所属するアーティストが一同に集うライブをお楽しみください!
日にち:2016年10月11日(火曜)
場所:吉祥寺スターパインズカフェ 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1
出演:Acousphere / Acoustic Sound Organization / Aerial / Sonascribe
時間:Open 18:00 / Start 19:00
前売り ¥3,900+1drink / 当日 ¥4,900円+1drink
詳細はこちらをご覧下さい!

2012年6月20日水曜日

《燃焼の為の習作》もう一度!

堀江敏幸さんの作品を久しぶりに読んでみました。
作家さんというのはタイトルをつけるのが上手い!

この作品はタイトルにひかれて買ってしまいました。

枕木という探偵とお手伝いの響子さんと依頼人の
《クマノミドー》さんが雷雨の日に事務所に閉じ込め
られている。帰るに帰れないという状況の中でこの
3人がそれぞれ勝手におしゃべりをしながら、依頼人の
相談事に触れていくのだが、なかなかその依頼の内容が
つかめない。
読んでいるうちにちょっとイラっとしてしまうのだけど、
合間に入る話題は結構面白く、人の日常を切り取って
こちらに考えさせる。

『熊野御堂さん、貴方の声を以前聞いた事があります。』
昔住んでいたアパートの隣にクマノミドーさんが尋ねて
来て、名前がユニークなので聞くともなしに聞いて、覚えて
いました。
『あれは貴方ではありませんか?』

離婚した奥さんと娘の行方を捜してほしいとの依頼なのだが
話しは依頼人の母親の数奇な境遇の話しに流れ、その母の
肖像画とともに手にはいった作家のオブジェの話しになる。

これが《燃焼のための習作》らしい。

堀江さんは物にたいする眼が細かくて、優しくて、表現が
素晴らしいのです。
《もののはずみ》はその才能を余す所無く表現した作品
です。その巧さはこの作品にも濃厚に出ていて、楽しい。

別の作品《河岸忘日抄》ではその哲学的なアプローチに
驚きました。そういう作家さんが書いたミステリーもの
という触れ込みでほほうと手に取ってみましたが、ミステリー
ではないですね。
後半やや興味が減退してきたのは否めませんが、この作家さんの
《河岸忘日抄》が一番いいです。

それにしてもどうしてこんなに化け文字になってしまうのか、
そろそろ買い替え時ですかねえ。