次は吉村昭さん。
奥様は同じ作家の津村節子さん。お互いに
相手の作品を読んだこともなく、相談もしな
いというよくあるタイプです。
この吉村さん、旧制中学2年で肋膜炎。5年の
時、結核。20歳の時、3回目の発病で喀血。
半年で体重が60キロから35キロに減った。
当時最先端と言われていた胸郭成形手術を受
け、肋骨を5本切除。
局所麻酔だった為に・ ・・・・(壮絶過ぎ
て描写できない)『痛いなんてものじゃない
何億本の針をザーンと全身に突きささられる
ような感覚だった』と仰る。
5時間の手術中、唯一の救いは『確実に時間
は流れる。』ということだった。
激痛から解放される時が必ず来る。
『これが僕の考え方のメインかな』
ある期間に完全燃焼した人間、僕はボロボロ
になる人間に心惹かれる・・・と仰います。
そして、『夫婦揃って作家というのは地獄
でしょう?』という質問に『地獄の中にいる
と苦しみがわからなくなるみたい。』
人はこんなにも重荷を背負って生きているんですね。私などは未だ未だかな・・・と
反省させられます。
阿川さんのインタビュー、そして、纏め方
サスガです。