だけの美術展》
に行ってきました。全作品37点が一堂に
展示してある、珍しい企画。
もちろん本物ではありませんが、すべて
リクリエイトというコンピューター
グラフィックスの作品。
フェルメール本人の声を小林薫さん、
娘さんのエリザベスの声を宮沢りえさんが
吹き込んでいる音声ガイドを借りて
ひとつ、ひとつ丁寧に観てまわりました。
ラピスラズリの青と黄色と白に輝く
光の点描が美しい。静謐な世界。
時間を止めて、物語が始まる。
企画は福岡伸一さん。
自作の顕微鏡で微生物を発見してその名を
留めるアントニ・ファン・レーウエンフック
は1632年オランダのデルフトに生まれた。
画家フェルメールも同じ年、同じ場所で生まれた。
二人の交流を示す文献はない。
しかし、二人はある興味を共有していたのでは
ないかと福岡博士はおっしゃいます。
レーウエンフックのごく初期の観察記録には
こう記されている。
自分は絵が上手に描けない。だから、顕微鏡の
スケッチは熟練の画家に頼んで代わりに書いて
もらった、と。それはいったいだれか。
そして、それはどんなスケッチか。
もう一つの事実。
レーウエンフックのスケッチは1676年になると
急にタッチとトーンに変化が生じる。
フェルメールは1675年12月15日に43歳で
亡くなっている。
こういう話というのはワクワクしますねえ。
そのスケッチを描いたのはフェルメールはではないか。
私はそう思いたい。
そのことで伝説の人が急にイキイキと動き出す、
話し始める。青いターバンのおんなの娘が動き出す。