Acousphere Live 2016.10.11 吉祥寺Star Pine's Cafe

2016年10月11日(火曜) 吉祥寺スターパインズカフェにてスペシャルライブイベント「Acousphere with Friends」を開催します! 
Acousphere Recordに所属するアーティストが一同に集うライブをお楽しみください!
日にち:2016年10月11日(火曜)
場所:吉祥寺スターパインズカフェ 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1
出演:Acousphere / Acoustic Sound Organization / Aerial / Sonascribe
時間:Open 18:00 / Start 19:00
前売り ¥3,900+1drink / 当日 ¥4,900円+1drink
詳細はこちらをご覧下さい!

2014年3月29日土曜日

『皿の中のイタリア』内田洋子

魚偏に弱いと書いて、
勿論イワシであるが、この作家さんはイタリアはミラノに住んで、
何の因果か、ミラノの常設市場で種々の魚を売っているジェノヴァ
出身の三兄弟に興味を持つ。そして、この無口でナカナカ会話の
相手をしてくれない無骨な男たちに近ずく為に毎朝魚を買いに
いくのです。
そして、また、この大量買いには尾鰭がついて、知り合いや、そのまた
知り合いを毎夜の如く呼んではパーティーとなるというなんという僥倖。
ある日、イワシ2キロを買う羽目になる。
兄弟は彼女に言います。
『トマトソースを作って、そこに、これを2〜3匹ぶち込んでみな。
小さくても、トマトに負けない味をだす。』
と言って、背中を叩きます。
そこに、レモンもついてきます。
隣の青果店のオーナーが俺からだよとウインクする。
なんという幸せな環境なんでしょうねえ。
イタリア大好き小生・・・おばさんはもうもうイタリアに行きたい、
行きたいでその後を読みふけるのです。

内田さんは言います。
今朝のイワシは新鮮なので、どの眼も濁りがない。腑を出す為に、
親指の爪を頭の下に入れるだけで、ピッと音をたてて、自ら
腹を割くような清さである。
上手い表現ですね。確かに少しでも古くなった鰯は手でさばく事は
できませんから。
そして、続けます。
新鮮なイワシは夜迄もたない。
開いたら、粉をふって、すぐにあげる。揚げるそばから食べたい。
かくして、この日は近所のミーナを呼んで、昼食がはじまる。
名も無い瓶詰めにしたての白ワインを飲みながら・・・

彼女が出会うイタリア人はそれぞれに典型的なイタリア人では
ありますが、イタリアの食を支えて、なおかつ、その食文化を
こよなく愛し、、先祖から伝えて来た調理法や伝統を誇りに
しています。その様を実に生き生きと描写していて、面白いデスねえ。

写真家のミーナの次はジャン。
長身のジャンはミーナの写真のモデル。
同じビルに住むアンジェラとの出会いも面白い。

しかし、この国の食のなんと豊かなこと。
どんなに世の中が進んでいっても、この豊かなイタリア料理とマンマの
料理は廃れることがない。
それに引き換え、日本はどうなっていくのだろう。
お母さんの料理は、日本の伝統的な和食はどうなるのだろう。
白いご飯、色々な種類のお味噌汁、野菜のお惣菜、糠漬け、
毎日これらの献立を食べている人がどのくらいいるのだろう。
かく言う私でも、毎日お味噌汁を飲んでいるとは言えない
のだから。