Acousphere Live 2016.10.11 吉祥寺Star Pine's Cafe

2016年10月11日(火曜) 吉祥寺スターパインズカフェにてスペシャルライブイベント「Acousphere with Friends」を開催します! 
Acousphere Recordに所属するアーティストが一同に集うライブをお楽しみください!
日にち:2016年10月11日(火曜)
場所:吉祥寺スターパインズカフェ 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1
出演:Acousphere / Acoustic Sound Organization / Aerial / Sonascribe
時間:Open 18:00 / Start 19:00
前売り ¥3,900+1drink / 当日 ¥4,900円+1drink
詳細はこちらをご覧下さい!

2012年11月9日金曜日

“永遠のゼロ”百田尚樹

久しぶりに男っぽい本に感動しました。
あの戦争末期にいかにして特攻隊員が死んでいったか、
零戦はどのように戦ったのか。
実に細かい描写で面白く、又、あの有名な
真珠湾攻撃がどのようにして始まったのか・・・を
実に克明に、見事に書いています。

零戦は何故ゼロセンと呼ばれたか。
それは皇紀2600年の年に採用されたからで、時は
昭和15年。
零戦は格闘能力がずば抜けていました。
非常に短い半径で旋回できた。つまり、スピードが
ある上に小回りが効くのです。そして、飛行距離が
抜群に長い。
三千キロを楽々飛ぶ。
この頃の戦闘機の航続距離は大体数百キロですから、
この三千キロはいかに凄いか、です。
この物語の主人公は宮部久蔵という飛行機乗りです。

お話はこの人の孫がお祖父さんの死に際の事情を調べ
始めたことから始まります。
初めは"生きて帰る事が希望だ"と言い続けたことへの
同僚の反発で臆病者という汚名を着せられていた事を
聞き、調べる事の辛さを味わうのですが、処が実像は
そうではない。
調べる内に宮部久蔵と言う人物像がどんどん大きな
存在となって、家族にとってどころか、軍隊にとって、
いや、日本にとって、この人の死は大きな損失であったと
わかります。
この人の心を思う時、戦争がいかに理不尽であったかを
思い知らされ、号泣せずにはいられません。

そして、この子孫の二人の姉弟はいつしか、この時の
戦争責任がうやむやにされている事実に疑問を感じて
いきます。
まさにこの時代の軍隊の組織が今の官僚組織の基礎と
なっているんですね。
この時の責任をとらないという体質はエリートと言われた
上層部がお互いに明日は我が身となることを感じて告発を
避けていた事なのでしょう。
作者はこの中で、ある老人にこれを告発しなかった
ジャーナリズムにも責任があると言わせています。

しかし、この時代だからこそでしょうか、この宮部久蔵という
一人の人間が家族への愛を貫こうと必死にもがいたことへの
凄さ、美しさ、清々しさは。
読み終えてしばし、呆然としてしまいました。
今のこの時代にこんなに清々しく生きることは難しい。



iPadから送信