Acousphere Live 2016.10.11 吉祥寺Star Pine's Cafe

2016年10月11日(火曜) 吉祥寺スターパインズカフェにてスペシャルライブイベント「Acousphere with Friends」を開催します! 
Acousphere Recordに所属するアーティストが一同に集うライブをお楽しみください!
日にち:2016年10月11日(火曜)
場所:吉祥寺スターパインズカフェ 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1
出演:Acousphere / Acoustic Sound Organization / Aerial / Sonascribe
時間:Open 18:00 / Start 19:00
前売り ¥3,900+1drink / 当日 ¥4,900円+1drink
詳細はこちらをご覧下さい!

2015年5月26日火曜日

矢沢永吉風に《ありがとっ!!!!!》

昔から女4人いれば『身上が傾く』とよく言われました。今は死語かもしれませんね。

私の実家は女姉妹が4人、細雪のようだと自負していましたが、『ざらめ雪』だとも

自他ともに揶揄しては大笑いしていました。

それもオリンピックのように4つづつ離れていて、よくもまあ産んでくれたものだと

感謝するやら、呆れるやら。

この4人の子供を育てるのにさぞ苦労なさったと思います。なんせ戦争という激動期

の時代で自分たちが必死に生きるのに精一杯でしたから・・・その間、子供が周りを

チョロチョロしていた・・・というのでは。

その意味では4人目の私など、産まれる可能性はかなり低かったのではと思います。

この4人のそれぞれが個性的でした。そして、この4人を幸せになるように嫁に

行かせるというのが、この頃の父親の命題だったにちがいありません。

無論、親としてはみんな平等で同じように愛したい気持ちでいたのでしょう。

でも子供の反応は複雑で、当然のことながらその愛の量を不服と感じていたように

思います。

しかもその愛の量は嫁入り道具の形に現れる・・・と。

さて、私の大学時代が安保闘争の時代。時の宰相は岸信介氏。

世の中が騒然としていた時代も岸さんの退陣でようやく治まり、次はあのだみ声の

池田勇人氏。

『所得倍増』を掲げて登場した池田さんは安保には一切触れず、経済優先で国を

引っぱり始めました。マスコミも安保闘争を忘れたかのように触れません。

池田さんは経済界の要人をつれて海外に行きました。

ソニー製品が爆発的に売れました。

日本経済が盛り返してきたのです。

私はこの時代に結婚して、東京にきました。

ラーメン一杯が170円、上野、宇都宮間が470円という時代でした。

この時、親の懐具合もかなり良かったのでしょうねえ。

嫁入りが決まった時に両親はわざわざ静岡のメーカーに行って、洋箪笥1竿と

和箪笥2竿で80万という立派すぎる代物を買って来て、私に持たせてくれました。

そして、中に入れる着物も相当量でした。これには訳があります。

私は高校2年から茶道を始め、折に触れては着物を新調するという事がありました。


さて、この大きな、高価な、立派過ぎる代物は移動を余儀なくされる度に頭を

悩まされます。お金もそれ相当にかかりました。

家を増築の時に一回、新築する時に往復2回、家の模様替えの時に3回、今、プチ引っ越しで

1回、この後もう一回引っ越しの予定があります。

このプチ引っ越しで運送会社の若い者に和箪笥の上下に分かれるこの間に

『奥さん、転倒防止にこれを嵌めるといいですよ。』

と言われ、なんか嫌な予感がしたのですが、断れませんでした。

良い家具ですから上下の分かれるところには箱根の寄木細工のようにピタッと嵌るように

細工がされています。そこへ粘着テープの強力な奴を嵌め込んでしまったのですから・・・。


で、いよいよお別れかもと覚悟を決めなければいけません。

さて、どういう手順ですべきか。

隣の西荻窪は骨董品で有名な処です。ここの一番有名な《慈光》で聞いてみました。

『奥さん、和箪笥は再販は無理ですねえ。他のどこでも同じ事を言うと思いますよ。』

なるほど、和服を着る人も少なくなり、それを入れる和箪笥も無用のものになったという

ことですね。

和服もこれから着そうなものだけを残して、《タンス屋》へ。

そして、そして、あの箪笥は、な、なんと粗大ごみに行って貰います。

で、私はその日、矢沢永吉のように何度も

『ありがとっ!!!!!』を心の中で叫びました、泣きながら・・・。