Acousphere Live 2016.10.11 吉祥寺Star Pine's Cafe

2016年10月11日(火曜) 吉祥寺スターパインズカフェにてスペシャルライブイベント「Acousphere with Friends」を開催します! 
Acousphere Recordに所属するアーティストが一同に集うライブをお楽しみください!
日にち:2016年10月11日(火曜)
場所:吉祥寺スターパインズカフェ 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1
出演:Acousphere / Acoustic Sound Organization / Aerial / Sonascribe
時間:Open 18:00 / Start 19:00
前売り ¥3,900+1drink / 当日 ¥4,900円+1drink
詳細はこちらをご覧下さい!

2015年5月23日土曜日

インターネット的糸井重里

この本は10年程前に書かれた本だそうですが、当時は特にたくさんの人に

読まれた訳でもなかったそうです。、当時の売れ筋である

『インターネットは儲かりまっせ!』

『インターネットは万能です。』

的な本が主流で、この糸井さんの啓蒙の書のような書き方をしている本は

見向きもされなかった・・・というかそんなに読まれなかった。

今、多様化の時代といわれ、みんなの嗜好がバラバラになってきている。

企業も何を作ったら売れるのか掴めなくなって来ていて、私たちもハテ、

何が欲しいのか、何をしたいのかが分からなくなってきている。

一応食べるに困らない、住むにも困らない、金銭的にも、まあまあ・・・。

若い頃はとにかく子供を教育して社会に送り出さなければ・・・とか、もっと

綺麗で便利な住空間が欲しい・・・とか、引退したら、悠々自適になりたい・・・

とか、考えていた。

しかし、《功なり、名を遂げて》とは言わないまでも一応(肩の荷を降ろした)かに

見えている自分の境遇を見渡してみると、果たしてどうなのだろうと思う。


改めて、『幸せとはなんだ』と考えさせられる。

幸せとは?と考えなくても、例えば楽しい事って何?

自分は何が一番楽しいのか。

少なくとも『ああ、楽しかった!』と言える人生はどうあるべきか。

『おもしろき、こともなき世を、おもしろく』

ではない楽しい生き方がとにかく今の時代、今の自分には可能だと思う。


糸井さんは言います。

彼は随分前に《ポンペイ展》を観に行って、考えたと言います。

あのポンペイの時代、お金持ちは自宅に質の高い豪華な壁画や彫刻を作らせていたのですが、

庶民でも競って、装飾なしでは生きられない・・・というような生き方をしていて、あちこち

飾り、あらゆるテーブルの脚が猫足だったりしました。貧乏人には貧乏人なりにペンキ絵だけど

壁画を描かせる財を使う意思が生活を楽しくする処にむけられている。

古代ローマ時代の人間の方が《消費を大事にしていた》

確かに、あのポンペイの遺跡にはアイスクリーム屋さんのようなものもあったらしいと

添乗員に話を聞いてなんと豊かな生き方をしていたのだろうと驚嘆した事を覚えています。


少し前まで、『あの人クリエーターなのよ。』とか、『クリエイティブじゃないとね!』

とか、なんだかクリエイティブという言葉が氾濫して、いささか安っぽく使われていました。

糸井さんはこのクリエイティブをこんな言葉に言い直しています。

日本語で『創造性』と訳すよりも、日本語で言うとしたら、『独特の工夫』とか、『いままでに

ない何か』とか、『発想しつづけようとすること』とか、『そのままにしていられない気持ち』

とかで言い表すといいのではと。

消費についてどれだけクリエイティブになれるかというのは、簡単そうで難しい。

最後のバブルの時にはお金を手に入れた人々が何を求めたかというと、

『高級スポーツカー』

『億ションと言われる住居』

『六本木のおねーちゃんと言われる恋人』

などが三種の神器だったそうです、

この頃、糸井さんは『消費のクリエイティブが育っていない』と思ったそうですね。

そして又、この頃観た映画でこんなシーンがあったと追憶しています。

1987年の映画で《グッド・モーニング・バビロン》

この中でアメリカに移住してきた兄弟の弟が失恋をします。

彼は、持って来たシンバルを頭の中にあるオペラに合わせて、『ジャーン』とならします。

失恋の痛手を治すために自分のすきなオペラのシンバルのパートの処を演奏者として音を

入れていたのです。糸井さんはこのシーンで涙が出たと言っています。

そして、出稼ぎのイタリア人の若者の楽しみのとしての教養のレベルがそこにあると。


ジブリの《耳をすませば》にも私の大好きなシーンがあります。

主人公の女の子がバイオリンを造る職人をめざす青年の音に合わせて《カントリー・ロード》

を歌っているシーンがあります。そこに、青年のお爺さんが音楽仲間と帰ってきて、

この音楽シーンに花を添えます。

お爺さんはチェロを、後の二人は、フルートやら、シンバルを叩いて楽しみます。

終わった時のみんなの笑い声。素晴らしい、素敵です。

お金と時間の贅沢な使い方を模索しなければ・・・。