が成立しました。
この年のうちに全ての塩田が廃止され『イオン交換式』
という科学工業的な製塩法に切り替わって
しまったのです。
その理由は塩専売制度廃止にむけ、生産コストを
低減し、輸入塩に対して価格競争力をつけるため
ということでした。
ここにもまた、国の為というお化けが国民を無視して、
そして、国民の健康など一つも考えない変な制度が
闊歩し始めます。
厚生労働省は2000年に開始した健康づくり運動
『健康日本21』で、日本人は塩を取りすぎている
から減らしなさい、1日10グラム以下にしなさい
と指導しています。
今私たちの常識では
"塩は体に悪い"と考えています。
何故かといえば、だれも同じように高血圧になる
からと答えます。
何故、塩が高血圧の原因だとされたのか。
これは1953年、アメリカのメーネリーが行った
ネズミを使った実験によります。
ネズミに6ヶ月間、通常の20倍に当たる20〜30g
もの食塩を与え、さらに飲み水にも1パーセントの
食塩を飲ませました。
この結果、10匹のうち、4匹が高血圧になったそうです。
これが『塩が高血圧の犯人説』のキッカケです。
その後、1960年アメリカの高血圧学者のダールが発表
した論文では日本の東北地方と南日本を対象に、食塩
の摂取量と高血圧の発生率を調べました。
その結果、東北地方は一日平均27gで、一日平均
14gの南日本より多く摂取していることがわかりました。
しかし、寒い地方は寒い環境では血圧を上げて
血液循環をよくして、寒さに打ち勝とうとするのです。
また、この調査では同じように塩をとっていても
高血圧のヒトが多い所と少ない所があったことが
見逃されていました。
その後、メーネリーの実験を引き継いだ名古屋
市立大学教授の青木久三先生はもっと細かい
グループに別けて実験して、
『ネズミの死亡原因は高血圧ではなく、食塩の
排泄ができなかったために体液のバランスが
悪化したことだ』としています。
この功績により、米国心臓学界より、高血圧の
最高の賞と言われるチバ賞を受賞しました。
このことから分かったことは
『遺伝性の高血圧のネズミには食塩の摂取と血圧
には関係がないこと。』
『かなりの高塩分食でも水を十分に飲み、尿を排泄
できる能力があれば、血圧は上昇しないこと』
でした。
で、長くなるから次回にね。