Acousphere Live 2016.10.11 吉祥寺Star Pine's Cafe

2016年10月11日(火曜) 吉祥寺スターパインズカフェにてスペシャルライブイベント「Acousphere with Friends」を開催します! 
Acousphere Recordに所属するアーティストが一同に集うライブをお楽しみください!
日にち:2016年10月11日(火曜)
場所:吉祥寺スターパインズカフェ 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1
出演:Acousphere / Acoustic Sound Organization / Aerial / Sonascribe
時間:Open 18:00 / Start 19:00
前売り ¥3,900+1drink / 当日 ¥4,900円+1drink
詳細はこちらをご覧下さい!

2015年4月11日土曜日

司馬遼太郎『世に棲む日々』その1

この本を読み始めてから、何となく司馬さんは松蔭さんがあまり
お好きではないな・・・と感じていました。
松蔭はあっけなく刑死し、3巻、4巻では高杉晋作が圧倒的な
可愛さで綴られていきます。この『世に棲む日々』のタイトルも
高杉晋作の辞世の句
《おもしろき、こともなきよを、おもしろく》
と詠んだ事にちなんでつけられたそうですね。

司馬さんは革命というのは三代で成立するのかもしれないと分析
しています。初代は松蔭のように思想家として登場し、それに忠実
であろうとするあまり、自分の人生そのものを喪ってしまう。
初代は多く刑死する。
二代は高杉のような乱世の雄であろう。
刑死することはないにしても、多くは乱刃の中で闘争し、結局は
非業に斃れねばならない。
三代目は伊藤博文、山県有朋がもっともよくその型を代表している
であろう。かれら理想よりも実務を重んずる三代目たちは、いつの
時代でも有能な処理家、能吏、もしくは事業家として通用する才能
と性格を持っており、たまたま時世時節の事情から革命グループに
属しているだけであり、革命を実務と心得て、結局は初代と二代目
がやりちらかした仕事のかたちをつけ、新しい権力社会を作り上げ、
その社会をまもるため、多くは保守的な権力政治家になる

司馬さんはご自分が戦争から帰ってきて、
《いったいなんでこんな馬鹿な戦争をひきおこしたんだ!》
と慨嘆します。この本のあとがきには本当に珍しく、司馬さんの
咆哮が書かれています。
『・・・いい大人になってからも、まわりの友人がぜんぶ昆虫に
見えてきて、気が変になりそうになったこともある。』
と生の司馬さんの絶望のようなものが見えています。
そして、明治国家を作った長州系の大官たちが国家思想の思想的
装飾として松蔭の名を使って以来、ひどく荘厳で重苦しい存在に
なった。私は学校嫌いのこどもだったから松蔭という名が毛虫の
ようなイメージできらいだった。長じて国家が変になってきた。
松蔭の名はいよいよ利用された。
次に続きます。